SUPER★DRAGONの田中洸希が、癒し系BLコミックをドラマ化した『シュガードッグライフ』に主演する。童顔で身長が低いのがコンプレックスの料理上手な大学生の役。高身長で天然な10歳上の警察官に、ごはんを作りに行くうちに恋愛感情が芽生えていく。グループでの精力的な音楽活動の一方、昨年から個人でドラマや映画出演が続く中、演技にどう取り組んでいるのか? 意外な素顔も垣間見えた。
『去年から本格的に俳優をやりたい気持ちに』
――中1からSUPER★DRAGONで活躍されている田中さんですが、俳優の仕事に関しては、どんなスタンスだったんですか?
――埼玉のホストクラブのビジュアル担当で、末っ子キャラだけどプライドが高い役でした。
あの作品でいろいろな経験ができて、自分の中でお芝居のイメージが変わりました。楽しんで演じられるようになった気がします。
――自分でドラマを観ていたりは?
昔は全然観ていませんでした。僕は何でもハマるのが遅いんです。入るまでが長くて、新しい作品が出てもなかなか観ない人なので。
――山田孝之さんをリスペクトされているそうですが。
子役のときに『バクマン。』でご一緒したのがきっかけで、すごく惹かれました。カメレオン俳優とも言われてますけど、いろいろな役を自分のものにして溶け込めているのが憧れで、尊敬しています。山田さんの作品はわりと観てきました。
――どんな作品をご覧になりました?
『全裸監督』も観ましたし、福田(雄一)組の作品も結構出られていて好きです。存在感が強くて、ワンシーンをモノにして光っているところがすごいです。
『かわいらしい恋愛ものは初めてです』
――『埼玉のホスト』から出演作が続いていますが、『シュガードッグライフ』のようなピュアな恋愛ものは初めてでしたっけ?
恋愛ものはありましたけど、(『あざとくて何が悪いの?』内の)「あざと連ドラ」は全然ピュアではなくて(笑)。かわいらしい恋愛ものは初めてです。原作を読ませていただくと微笑ましくて、BLを観たことがない方でも、すんなり世界に入れると思います。
――田中さん自身はBLに馴染みはありました?
一度『ワンルームエンジェル』に出演させていただきましたけど、大きく携わったわけではなくて。あまり触れてこなかった世界でした。だから、今回はちょっと不思議な感覚があります。雰囲気的なことは、原作からインスピレーションを受けながらやっています。役の唯純(いすみ)くんのキャラクターを立たせながら、自分らしく演じられたら。
『包丁さばきをカッコいい感じにしないと』
――唯純は料理上手な大学生ですが、田中さんは料理のほうは?
全然やりません(笑)。1回先生を呼んでくださって練習しました。箸の持ち方から始まり、包丁の使い方、炒め方、皮の剥き方とか、いろいろ教わりましたけど、まあ、できないですね(笑)。
――台本には「手際よく包丁さばき」などとあります。
そう書いてありますけど、できるかどうか。手際いいと言ったら、野菜を切るのでもタンタンタンという感じですよね。僕はタン……タン……タンというスローペースなので(笑)、本番までに何とか慣れないと。
――他にはどんなことが難しいですか?
卵を割って混ぜるとか、無理ですね(笑)。普通に両手で割っています。見た目をカッコいい感じにしないといけないので、限られた時間の中で頑張りたいです。
『シュガードッグライフ』予告編
『頑張った日は母親のみそ汁を飲みたくて』
――食べるほうでは、二郎系ラーメンがお好きなんですよね?
一生好きです(笑)。高校3年のとき、友だちに誘われて行ったのがきっかけで、ゴツゴツこってりにハマりました。行ったお店はメモっていて、都内の二郎は制覇したいです。
――だいぶ並ぶこともあるとか。
2時間半とか1人で並びました。ラーメン二郎のためなら、全然苦でないです。
――唯純は頑張った日にはオムライスを食べていますが、田中さんにとってのそういう料理もありますか?
頑張ったときはラーメンか、母親のみそ汁を飲みたいです。体に染み渡るんですよ。大根、ワカメ、豆腐とかが入ったシンプルなみそ汁ですけど、好きですね。
――逆に、ブラックコーヒーは飲めないそうで。
飲めません。カフェラテが限界(笑)。でも、ブラックコーヒーのおいしさに気づけるようにはなりたくて。ビールもそう。僕は好きでないですけど、夏とか風呂上がりとか、おいしいと言いますよね。そのおいしさがわかりたい21歳です(笑)。
『素直になれないところは役と似ています』
――台本を読んでいて、唯純の気持ちがわかるところもありますか?
僕も素直になれないときがあって、そういうところは唯純くんに似ています。うまい具合いに自分の中から、アウトプットできたらいいなと思っています。
――どんなときに素直になれないのでしょう?
同級生や後輩に誉められると「何お前?」となってしまったり(笑)。「あれは良かったです」とか素直に言ってくれたら嬉しいですけど、「やるじゃん」みたいに上から来られると、ヘイトが溜まります(笑)。
――そういうくだりは、スパドラの中でもあるんですか?
ありますけど、グループはもう長くて尊敬し合っているので、いい感じになります。ライブ中に自信満々でやっていたことを「違うよ」と言われて、「はぁ?」となっても、一度自分の中に飲み込んだら、「確かに違っていたな」とわかった経験もあって。そういう話は聞いておくものだなと思いました。
『ツンとデレのメリハリをハッキリつけて』
――警察官の天沢の行動で、唯純と同様に「こういうことをされたら惹かれる」と思ったところも?
意識してない何気ないやさしさには、グッときますね。コケそうになったときに受け止めてくれたり、手を引っ張ってエスコートしてくれたり。小さいことでも、そういう自然な行動がすごくいいなと思います。
――唯純は天沢が自分のことをどう思っているのか考えて、悶々とします。そういうことは恋愛に限らず、ありますか?
僕は気にしすぎる性格ではあるんですけど、それで空回りすると相手に申し訳ないとも思っていて。いい塩梅を探します。
――唯純を演じるうえでは、どんなことを意識しますか?
やっぱり表情から伝わるものが一番あると思うので。ツンツンしているところ、デレデレしているところと、メリハリをハッキリつけたいです。そこが唯純くんのキャラが輝くところでもあるので。
――スパドラのインタビューで、他のメンバーが田中さんのことを「王子様系に見えてギャップがある」と語っているのを読みました。
どうなんですかね。ただ人見知りなだけだった気もします。本当に幼かったので。今は少しですが成長したかなと思っていて。これからカッコいい大人になりたいです(笑)。
『太りたくても太れないのがコンプレックス』
――唯純は童顔で身長が低いことがコンプレックス。実際の田中さんは身長は低くない173cmですが、何かコンプレックスはありますか?
細かいことから、いっぱいあります。髪質が悪い、とか。ほぼストレートですけど若干クセっ毛で、セットするときにちょっと立ち上がらないんです。それがイヤで、もっと柔らかい髪になりたくて。あと、一番のコンプレックスは太れないことです。
――良いことではないですか?
いや、心配されるくらい細いので。身長173cmで体重50キロしかなくて、非常にマズいですよね。ダイエットをしているわけでなく、太りたくても太れないんです。
――ラーメンを食べていたら太ると、よく言われますが。
それが太らないから、不思議で仕方ないんですよね。何でだろう?
――いつも踊っていてカロリーを消費しているからでは?
そんなこともないと思うんです。体質と言われますけど、ちょっと解せません(笑)。
『ビートボックスは唯一無二の自信があります』
――唯純は中学生のときに母親を亡くして、1人で料理をしてきたという背景があります。田中さんのヒューマンビートボックスも独学ですか?
ずっと独学でやっています。唯一ずっと続けている特技で、アイデンティティになっていて。小学4年か5年の頃、HIKAKINさんがDaichiさんと撮ったビートボックスの動画を観て、「やれるんじゃね?」と適当にやってみたら、できたんです。中1のとき、メンバーからビートボックスでおすすめのYouTubeチャンネルを教わって、好きなビートボクサーもできました。
――苦労して身に付けたというより、自然にできるようになったと。
そうですね。遊びみたいな感覚から。
――5月には、ビートボックスのイベント「BEATCITY JAPAN」に出演されました。
そういうイベントには出たことがなくて、いつものスパドラのお客さんとは盛り上がり方も全然違うので、どう掴めばいいのか難しくて。めっちゃ作り込んでいって、結果的に成功したのかは、ほとんど記憶がないのでわかりません。でも、いい思い出になりました。
――今後もいちビートボクサーとしても活動していくんですか?
個人の仕事でビートボックスが活かせたら、大きいと思います。最近はいろいろな方がビートボックスを始めていて、日本にどんどん広まるのは嬉しいです。そんな中でも、アーティスト界では僕が一番うまいと、自信を持って言えます。
――すごいですね。
ありがたいことに、そう言っていただくので。誇りを持って、唯一無二でいたいです。そこはこれらかもぬかりなく、スパドラでもビートボックスを使って、みんなと音楽を作っていきたいです。
SUPER★DRAGON 「Don't Turn It Down」ライブ映像
『曲に対する感情を作るのも早くなりました』
――音楽と演技は別ものの感覚ですか? 表現として繋がるところもありますか?
通じるところはありますね。いろいろな芝居を経験させていただくと、曲に対する感情を作り込んで世界に入るのが早くなりました。逆に、いろいろな音楽をやったり聴いたりしているからこそ、芝居にもスッと入っていけるように思います。
――なるほど。
僕は基本、めちゃくちゃ考えて生きてしまう人ですけど、何も考えないで生きたい人でもあるんです。ちょうどいい塩梅がまだわかりませんけど、要は楽しんで一生懸命やれたら一番かなと。
――演技でも、考える前に反射神経で入れるような?
そうですね。そこは追求したくて、そういう意味でも山田孝之さんが目標です。
――『シュガードッグライフ』のW主演が決まって、スパドラ内ではどんな反響がありました?
「すごいね」とは言われました。「あざと連ドラ」でも主人公をやらせていただきましたけど、連続ドラマの主演は初めてで、「頑張ってね」と応援してくれています。ありがたいことに主題歌もスパドラなので、その分、自分はお芝居もより頑張ろうという気になります。ドラマを通じて知ってくださった皆さんが、少しでもスパドラに興味を持ってもらえたら嬉しいです。
――関東では土曜の深夜2時30分からの放送になりますが、それくらいの時間は起きていますか?
日によりますが、ドラマが始まったら起きていると思います(笑)。皆さんと一緒に観たいですね。
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アーティスト情報
田中洸希(たなか・こうき)
2003年2月27日生まれ、東京都出身。2015年にEBiDAN所属のメンバー9人でSUPER★DRAGONを結成。2024年3月にメジャーデビュー。個人でドラマ『埼玉のホスト』、『ワンルームエンジェル』、『蜜と毒』、映画『明日を綴る写真館』などに出演。ドラマ『そんな家族なら捨てちゃえば?』(カンテレ)に出演中。
オフィシャルアカウント
CD情報
SUPER★DRAGON「Downforce」9月11日(水)発売!
『シュガードッグライフ』
©依子・一迅社/ABC
ABCテレビ(関西)・毎週日曜23:55~(8月4日スタート 初回は深夜1:00~)
テレビ朝日(関東)・毎週土曜26:30~(8月3日スタート)
※放送時間は変更の可能性がございます。
※ABCテレビでの放送後、TVer・ABEMAで見逃し配信!
出演/田中洸希、多和田任益、植村颯太、楽駆 ほか
公式HP<https://www.asahi.co.jp/sugardoglife/>
主題歌/SUPER★DRAGON『Sweets』
お芝居自体はスパドラに入る前から、ちょくちょくやらせていただいてましたけど、本格的にやろうという気持ちになったのは、ようやく去年からですね。『埼玉のホスト』に出演したことがきっかけでした。