左からMOMO、HANNA、ALLY、CHOCO
昨年12月にデビューし、5ヵ月連続でデジタルシングルをリリースしてきたWHITE SCORPION。初期の集大成にして、初のCD作品となるミニアルバム『Caution』が発売される。この夏はリリースイベントやフェス出演で各地を飛び回った11人のメンバーから、ALLY、CHOCO、HANNA、MOMOの4人に聞いた。クールなパフォーマンスと裏腹の面白話も満載になった。
コールセンターでのアルバイトが役立ってます
――ALLYさんとHANNAさんには前回の取材でうかがいましたが、CHOCOさん、MOMOさんは「IDOL3.0 PROJECT」のオーディションを受けた頃は、どんな生活をしていたんですか?
CHOCO 北海道の高校で獣医さんを目指すコースに入って、動物関係の研究をしていました。アイドルのオーディションもいっぱい受けていて、北海道から東京に行く飛行機代のために、コールセンターでアルバイトもしました。親がアイドルを目指すことに賛成ではなかったので……。
――アルバイトをなぜコールセンターにしたんですか?
CHOCO 時給重視です(笑)。あと、私は喋るのが得意で、頑張るほどインセンティブが付いて、お給料に反映されるので選びました。
――北海道と東京の往復の飛行機代は高いですからね。
CHOCO そうなんです。しかも、オーディションは1週間前とか直前に決まるので、なおさらでした。でも、コールセンターでの経験のおかげで、今MCを任せていただくことが多くて、臨機応変に対応できます。言葉遣いも学べました。やってきたことは全部、アイドルの活動に役立っています。
――オーディションに受かってから、賛成でなかったご両親をどう説得したんですか?
CHOCO 決まってからは応援してくれています。教育にわりと厳しい親なので、オーディションは「そんな不確かなことに時間を使うなら勉強しなさい」と言われて、自分で交通費を稼いで勝手に受けていたんです。でも、アイドルになれたら、全然反対はされませんでした。
アクションのレッスンを週5日受けていて
――MOMOさんは?
MOMO 乃木坂46さんのオタ活に全力投球の日々でした(笑)。特典会やライブに行って、雨の中で応援したこともあります。
――高校では美術部でしたっけ?
MOMO 5時に行ったらお菓子をもらえるという噂を聞いて、美術部に入ったので(笑)、活動はしていません。でも、ずっとアクションを習っていました。学校が終わってから3時くらいにスタジオに行って、夜の11時までのレッスンを週5日か6日受けていて。毎日ヘトヘトになって帰っていました。
――なぜアクションをやろうと?
MOMO 兄と一緒に映画の『ザ・ファブル』を観て、「こんなの私もできるよ」と思ったんです(笑)。そのアクション監督の方がやっているスタントマンのジムがあって、体験レッスンに行ったら、どハマりしました。
――HANNAさんは2人とは、オーディションからすぐ馴染んだ感じでした?
HANNA CHOCOとは同じグループだったので、よく喋っていました。MOMOは練習をしていて顔は知っていて、審査が進んでいくごとに仲良くなった感じです。
MOMO 私は最初、HANNAを年上だと思っていました。背が高いし大人びていて、年下と知って本当に驚きでした。
HANNA オーディション中に、一緒に写真を撮ったのを覚えています。ギュッとしてくれて、親しみやすくて、やさしいお姉ちゃんみたいでした。
MOMO その写真を投稿したら、コメント欄に「モモのほうが妹みたい」と書かれていました(笑)。
「ひと口ちょうだい」を言いすぎるんです(笑)
――そんな若者たちを、ALLYさんは見守っていたわけですか?
ALLY 私も若者ですけど(笑)、本当に年齢が違っていて、最初はどう馴染んでいいか、わかりませんでした。1人ずつ探り探りで行きました。
MOMO 姉さんは「ちゃんとしいや」みたいに、グループの乱れを直してくれるんです。
CHOCO 私は食べることがめっちゃ好きで、食べ物を持っているメンバーに「ひと口ちょうだい」と言っていたら、怒られました(笑)。
ALLY 言いすぎなので(笑)。
MOMO 姉さんが唐揚げが4個ついているのを、壁に向かって食べていて。「CHOCOに見つからないように」と言ってました(笑)。
ALLY 量が多ければ、1個あげるのは全然いいんです。でも、CHOCOは少ないものまでもらおうとするんです(笑)。みんなやさしいから「いいよ」と言ってますけど、「ほどほどにしなよ」という。
CHOCO MOMOは私が言う前にひと口くれます。
MOMO 食べていると、CHOCOの目線がすごいので(笑)。「うわっ、来るぞ」と思っていると、姉さんに怒られてから「ひと口ちょうだい」は言わなくなったけど、視線に負けて、こっちから「ひと口食べる?」となってしまいます(笑)。
CHOCO たぶん無意識で「おいしそうだな」と見ていたのかもしれません(笑)。
――CHOCOさんはチョコが好きなんですよね?
CHOCO そうです。北海道のロイズとか、生チョコが一番好き。私はチョコに何も混ぜてほしくなくて。ナッツやドライフルーツが入ったオシャレなチョコより、チョコはチョコのままがいいんです。ホワイトチョコもあまり食べません。
(左)CHOCO/2006年12月27日生まれ、東京都出身
(右)ALLY/2000年4月17日生まれ、京都府出身
伝えないとモヤモヤして終わるので
――1stミニアルバムの『Caution』のリード曲「動く唇」は、「思ったことははっきり言おう」という歌。皆さんは言えるタイプですか?
CHOCO 私は何でもはっきり言います。
――「ひと口ちょうだい」だけでなく(笑)。
CHOCO そうですね。溜め込まないタイプで、思い詰めることはありません。イヤだったら「イヤ」、お腹がすいたら「すいた」、疲れたら「疲れた」と言います。
MOMO 要するに赤ちゃん(笑)。話し合いでも、CHOCOは意見をはっきり言ってます。私も言うほうですけど、みんなの意見が半々に分かれると、面倒くさくて黙っているタイプ(笑)。「あっ、始まった」と思ってスンとしていて。巻き込まれるのが好きじゃないんです。巻き込むのは好きですけど(笑)。
ALLY 私はなかなか言えないタイプでした。このグループに入って「最年長が言わなければ」とよく思うので、言うようになりました。「ここはちゃんとしよう」と言ったりするときは、ちょっとドキドキします。
――どんな注意をしたんですか?
ALLY 何か問題があったわけではないです。でも、アイドルはプロなので。「1人1人の行動がグループ全体の印象として見られるから、ちゃんと意識していきましょう」という感じのことは言いました。
HANNA ライブ前とかも、アリ姉がそういう注意をしてくれると、気が引き締まります。怒る口調ではないので、気持ち良く聞けて頼もしくて。私も最近、パフォーマンスで思ったことは言うようになりました。
――そこは最年少でも関係なく。
HANNA はい。前は「私が言っていいのかな?」と引き気味でしたけど、やっぱり伝えないとモヤモヤして終わってしまうので。MVとかをみんなで作るのに、必要かなと思います。
口が回らないと体を動かしてリズムを取って
――よく面白いことを言うメンバーもいますか?
MOMO NAVIかな。よくふざけています。
CHOCO 面白いことを言うというより、行動が面白い(笑)。
MOMO いつも何かしら歌っていたり(笑)。
――HANNAさんも急に逆立ちをするんでしたっけ?
HANNA 家でたまにそういう気分になります。あと、一直線の道があると走りたくなってしまいます(笑)。せっかく開放されているので。けど、周りの目線があるので抑えています。
――「動く唇」のレコーディングでは、どんなことを考えて歌っていました?
CHOCO 滑舌に気をつけました。サビはたたみ掛けて、いっぱい言葉を言うので、はっきり歌うようにしました。
ALLY 私は滑舌が悪いほうなので、サビは早口で苦戦しました。でも、このパートはたぶん私に来ないと思っていたんです。そしたら、<弱気な恋じゃうまくいかない>のところが来て(笑)。
MOMO 本当に文字数が多くて、口が回らないときがあって。体を動かしてリズムを取りながら、頑張ってレコーディングしました。
HANNA 力強い歌詞なので弱々しい口調でなく、ドーンと母音を意識して、シューッと息を細かくすることを意識しました。
――HANNAさんは擬音が多いですよね(笑)。
HANNA そうなんです。ちゃんとした言葉で伝えられなくて(笑)。
(左)HANNA/2008年12月17日生まれ、兵庫県出身
(右)MOMO/2005年12月7日生まれ、東京都出身
歌いやすい曲がやっと来ました
――同じく新録曲の「心が目を閉じる」は、初のミディアムバラード。こういう曲は好みではありました?
MOMO すごく好きです。私は声が高いほうで、今までのホワスピの曲だと低かったんです。「やっと歌いやすい曲がキターっ!」と思って、レコーディングしたあとも「声質に合っていたね」と言われました。曲調もチルな感じで寄り添ってくれて、聴きやすいと思います。
ALLY 私もめっちゃ好きですけど、歌うのは苦戦しました。声が低めで、いつものアップテンポのほうが歌いやすくて。この曲はACEが最初に録った声を聴きながら、ニュアンスを寄せた記憶があります。
HANNA 内に秘めた想いが描かれた歌で、感情が乗りやすくて。私は歌いやすかったし、個人的にも好きな曲です。
CHOCO 今までは「動く唇」にしても、速くて強い曲が多かったので。感情を込めるより、とにかく強く歌う感じだったんです。「心が目を閉じる」はディレクターさんにも「感情を込めて」と言われました。あと、ゆったりな曲の分、語尾の歌い上げ方も気にしないといけなくて。いつもは語尾を気にする暇がないくらい、すぐ次の歌詞が来るんです。だから今回は、ていねいに歌い上げた感じです。
アニメやゲームで寝不足になります
――歌詞にある<嫌なことばかりが多すぎて寝不足になる>は、実際ありますか?
CHOCO アニメを観たりゲームをやりすぎて、寝不足になって嫌になることはあります(笑)。一回観始めたら、一気観したくなってしまうんです。
――最近はCHOCOさん的に、どんなアニメが熱いですか?
CHOCO 今期は『ロシデレ』! 『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』です。ただただニヤニヤして観られるラブコメで、白髪美少女はやっぱり良くて。しかも、エンディングテーマが毎回違って、有名な曲をアーリャ役の上坂すみれさんがカバーしてくれています。映像まで毎回違うアニメーションが作られていて、力の入れ具合いが違うなと思いました。
MOMO 止まらないね(笑)。
――WHITE SCORPIONのキングレコードはアニメに強く、上坂すみれさんら多くの声優アーティストが所属しています。
CHOCO そうなんです!
MOMO CHOCOは「同じレコード会社だから、ほぼ姉妹」と言っています(笑)。
CHOCO 水瀬いのりさんもそう。(『Re:ゼロから始める異世界生活』の)レムりんと姉妹みたいなものだと思って、嬉しくて(笑)。いつかお会いしたいです。
今の時期に寝ないと成長しないので
MOMO 私は『ハリー・ポッター』シリーズが大好きで、何回も観ています。オフの前の日の深夜12時くらいから2本観終わると4時くらいで、周りが明るくなって寝る。あの至福の時間がたまりません(笑)。
――「思いきり寝ちゃった」とポストしていたこともありますね。
MOMO 最近、お風呂に入る前に寝てしまうことが増えています。メイクを落としてないままでヤバいと思いつつ、ソファがギリギリ寝転べるサイズで、誘惑に負けてしまって(笑)。生活習慣を見直さないと。Yogiboも欲しいですけど、買った瞬間に終わる気がして、手を出せません(笑)。
ALLY 私も家に帰ったら、すぐ寝ちゃいます。3時か4時くらいに目が覚めて、「またやっちゃった……」と思って、お風呂に入って、もう1回寝るタイプです。
MOMO わかる、わかる。仲間だ(笑)。
ALLY 横になったら寝てしまうことがわかっているのに、気づいたら横になっていて、案の定寝てしまってます(笑)。
HANNA 私は今の時期に寝ないと成長しないと思うので、寝られるだけ寝ています。
MOMO まだ成長したいの(笑)?
HANNA 170cmを目指したくて。
MOMO あと3cm。
CHOCO でも、もっと伸びてそうじゃない?
HANNA 最近測ってないので、もしかしたらそうかも。170cmになっていたら止めたいので、夜ふかしを解禁します(笑)。
CDは手元に残るのがいいです
――今回の『Caution』の衣装では、HANNAさんがサングラスを頭に掛けています。
HANNA 着け心地はめちゃめちゃいいです。
MOMO 自分で選んだんだよね。
HANNA フィッティングで「何か物足りない」となって、カッコいい系とかわいい系とどっちがいいか、聞かれたんです。「カッコいい系がいいです」と言ったら、「これはどう?」と着けてもらったのが、このサングラスでした。
ALLY たまに鏡代わりにしています(笑)。
MOMO 背が一番高いので、かがんでもらって。
ALLY 背伸びしないと見られません(笑)。
――WHITE SCORPIONでは初のCD作品になりますが、Z世代の皆さんはCDに馴染みはありました?
ALLY サブスクがもうあった時代ですけど、CDも買っていました。手元に残るのが大きな違いですね『Caution』が発売されたら、たぶん親も喜んでくれて、私も早く家に飾りたくて。ファンの方も、何より手に取れるのがいいと思います。
HANNA NewJeansさんのアルバムをよく買っていましたし、私たちもミニアルバムがCDになったら、一緒で嬉しいというのはあります。
レンタカーで流すアニソンメドレーを
MOMO 私も乃木坂46さんのCDが出ると、学校終わりにレコード店に行って、飾り付けられているのを写真に撮っていました。みんなで開封して生写真を見たり、CDには触れていました。
CHOCO アニメだとドラマCDが出て、『転スラ(転生したらスライムになっていた件)』では一番くじの賞品になっています。だから、CDを再生するプレイヤーも家にあって、家族でCDを作ってもいました。毎年、沖縄旅行に1~2週間行って、レンタカーで流す夏曲メドレーを1人5曲ぐらいずつ出し合って、父が焼くんです。私はアニソンばかり。父と母は湘南乃風さんとか海でノリノリみたいな曲。弟はいかにも小学生に流行っている歌で、妹は『プリキュア』の曲とかで、異文化交流みたいな1枚ができます(笑)。
――ドライブで聴きたいアニソンがあるんですか?
CHOCO 虹ヶ咲(学園スクールアイドル同好会)さんの「Just Believe!!!」は<ジェット気流 つかまえて>という歌詞があったり、エンジン全開な感じで気持ちいいかなと。あと、『とある科学の超電磁砲』シリーズで、毎回オープニングテーマを担当されていたfripSideさんの曲はもう、車の窓を開けて飛ばしたくなりますね。
秋はハロウィンスイーツを食べ尽くします
――『Caution』は9月発売ですが、皆さんはどんな秋を過ごすんですか?
CHOCO 食欲の秋なんですよね(笑)。ハロウィンがあって、秋限定のかぼちゃスイーツがいっぱい出るんです。それを毎年楽しみにしていて。東京はオシャレなカフェが多いので、ハロウィンスイーツを食べ尽くしたいと思っています。
――北海道育ちだと、東京の夏はかなりキツかったのでは?
CHOCO 本当にそうです。北海道では日傘を差す人はいませんでしたけど、東京の街を歩いていたら、半分くらいの人が差していて。だから、私も日傘デビューしました。体感温度が3度くらい下がったので、もう手放せません。
MOMO 私は秋も夜ふかしをしちゃいそうです。今観たいのは『キングダム』のアニメと、『あぶデカ(あぶない刑事)』の過去作。映画の『帰ってきたあぶない刑事』を観て、「何これ? カッコいい!」と思ったんです。
――MOMOさんの世代が観ても、そう思いましたか。
MOMO 私もバイクに乗りながらバンバン撃ちたいなと(笑)。イベントで鈴鹿サーキットに行かせてもらったときも、周りのバイクを見て、免許を取っちゃおうかなと思っていました。
HANNA 私は紅葉の景色を見たくて。東京のいろいろな名所に行きたいです。
ALLY 私も神社で紅葉を観賞したいです。10月7日のホワスピの結成1周年も盛大にお祝いしつつ、食欲は抑える秋にします(笑)。
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アーティスト情報
WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)
秋元康が総合プロデュースを務める「IDOL3.0 PROJECT」で、約1万人が応募のオーディションから選ばれた11人で結成。純真さ、誠実さ(WHITE)と強さ(SCORPION)を兼ね備えたグループとして命名。2023年12月に配信デジタルシングル「眼差しSniper」でデビューし、5ヶ月連続で配信リリース。9月8日に初のワンマンライブを時事通信ホールで開催。
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