『元祖!大食い王決定戦』で3連覇を果たし、大食いアイドルとして活躍する“もえあず”こと、もえのあずき。エラバレシでのアイドル活動も8年目に入った中、3年ぶりのソロシングル「にゃんにゃんにゃん」が発売される。フリフリに振り切った萌えソングで本領を発揮。目指すはジャパン・カルチャーを引っ提げた世界進出だという。
『胃袋はキリン並みでも本業はアイドルです』
――お昼どきの取材になりましたが、普段の食事は普通なんでしたっけ?
――『元祖!大食い王決定戦』に出演を始めてから10年になりますが、年齢を重ねて胃袋の調子は変わりませんか?
変わらなくて、より食べるように進化したかもしれません。たくさん食べたあとにCTスキャンを撮ったら、胃袋のサイズが2トンのキリンと同じだったんです(笑)。現役で大食いの大会に出ていた頃は、アゴの筋肉を鍛えたりしていたので、いま急に出ても勝てないと思いますけど、食欲は変わらないですね。
――大会に出ていた頃は、アゴの強化や熱いものの食べ方の研究などをしていたそうですが、いまはそういうことはやっていないんですね。
してないです。アゴを鍛えるために、普段からスルメとか堅いものを食べて訓練したり、ずっと歯を食いしばっていたりすると、顔の輪郭が変わってしまって(笑)。本業はアイドルなので、それはアカンから、なるべく普通にしています。
『ライブのあとに大食い動画を撮ってます』
――もともとアイドルとして目立つために、大食い大会に出たんですよね?
そうなんです。大食いでテレビに出させていただくようになって、「もうアイドルは卒業してもいいんじゃない?」と言われましたけど、私はアイドルを続けるために大食いもしている感じなんです。
――名前を売るのは目論見通りになりました。
大食いを見てライブに来てくれた方が増えて、「本当にアイドルをやっているんだ」とよく言われました。「こんなに歌って踊ってるとは思わなかった」「生で見ると小さいんだね」という声が多いです。
――YouTubeチャンネルでは大食い動画を頻繁に上げていますが、あれを撮る前は胃の調子を整えたりも?
そんなにしません。最近はライブがめっちゃ多いから、終わったあとに撮影しています。お腹も空いていて髪もかわいいままなので、一石二鳥です(笑)。
――昔は怖い話を聞きながら食べるとか、企画的なこともありましたが、いまは黙々とおいしそうに食べるスタイルになりました。
いろいろやりましたけど、やっぱり大食いを見てくれるのに、私がしゃべるところはいらんやろと、自分で編集して削ぎ落していきました。
『小さい頃からの憧れを実現したくて』
――3年ぶりのソロシングル「にゃんにゃんにゃん」が発売されます。このタイミングになったのは、何か経緯があったんですか?
ほぼ4年ぶりになります。今年はコロナが落ち着いてきて、海外でライブをすることが多かったんです。台湾に4回、タイ、ベトナム、韓国と行きました。単純にソロで歌う曲が足りなかったのと、海外の人が聴いてもキャッチーな“THEジャパニーズかわいい”みたいな曲が欲しいとお願いして、作ってもらいました。
――エラバレシのメンバーでもあるもえあずさんは、ソロ活動にはどんなスタンスで臨んでいるんですか?
私の個人的な夢で、アイドルと大食いで“世界のもえあず”になる、というのがあって。日本酒、和食とかジャパン・カルチャーを持って世界に出ていきたい。ソロライブもその一環で、「ブリブリのアイドル衣装で歌うけど、めっちゃ食べます」というのを体現したい気持ちでやっています。
――グループでのもえあずさんとソロのもえあずさんは、別のアイドルという感覚?
また違うかもしれません。ソロでは、私が小さい頃に憧れていたフリフリで踊るアイドルをやってみたくて。そういうのがずっと好きなんです。
――アイドルを目指したルーツはモーニング娘。でしたっけ?
はい。モーニング娘。さんに入りたかったんです。特に、ミニモニ。さんで活躍されていた頃の辻(希美)さん、加護(亜依)さんが大好きで、今回の衣装やツインテールの髪型にも反映させています。
――そういうフリフリ衣装が、いつまでも似合うための努力もしているんですか?
気持ちが大事だと思います。「もう私は無理」となったらダメで、「永遠の16歳」と言いながら、心から自分は16歳と思っていたら、たぶん周りの人も洗脳できます(笑)。「そろそろやめておきな」と言われるまで、続けるつもりです。
『猫の仕草をリアルに再現しました』
――「にゃんにゃんにゃん」では猫のモチーフまで要望したんですか?
そこまでは私から言ってませんけど、何曲か候補が来た中でひときわ良くて「これだ!」となりました。メロディも歌詞もキャッチーで、板垣(祐介)さんの曲ももともと好きなので嬉しかったです。
――MVでは猫に扮していますが、飼っているんですか?
飼いたいんですけど飼えないので、自分が猫になりました(笑)。監督さんが飼ってらっしゃって、猫が本当にやる仕草を教えてくださって。伸びをしたり、壁にガリッと爪を立てたり、リアルに再現されていると思います。
――細かい動きまで指示があって?
指先を丸めてふみふみするとか、指導していただきました。猫って意外と変わった動きをするみたいで、正座して手のひらに体重を乗せたり、しんどいポーズもありました。
――段ボールの箱に頭から突っ込むところは、うまくいったんですか?
なかなか箱に頭が入らなくて、10回以上スライディングをしました。膝が赤くなっていました(笑)。
――毛糸に絡まるところは?
あれも猫あるあるみたいで、めっちゃ面白かったです。かわいく見せているようでシュール(笑)。恥ずかしがったら負けで、アホ猫になったもん勝ちと思ってやりました。
『かわいく振り切ったほうがいいかなと』
――他にMV撮影で印象的だったことはありますか?
デカ盛りを食べるシーンがあるアイドルって、他にいないですよね(笑)。食べ物が並んでいるシーンがあっても、実際に全部食べてはいないと思いますけど、私は本当に完食しました。そこは私らしさかなと思います。
――山盛りのアメリカンドッグと巨大な爆弾おにぎりをたいらげていました。普通のアイドルだと、アイスクリームをちょっと食べるシーンでも「何テイクも撮ったらお腹いっぱいに」という話になりますが、もえあずさんはあれくらい食べるのは、何てことないですよね?
はい。爆弾おにぎりもお掃除ロボットの円盤くらいの大きさでしたけど、監督さんが家で作ってきてくださって、おいしかったです。お米がこだわりのゆめぴりかで、撮影中はカットが掛かった空き時間にも食べて、帰るときには完食していました(笑)。
――さすがです。
サムネにもこだわりがあって。何個かの候補の中から、にゃんにゃんポーズでなくて、デカ盛りを食べる画像を選びました。
――歌やダンスはかわいさ増し増しで?
もう振り切ったほうがいいかなと。レコーディングもソロだと絶対に全部使われるから嬉しいし、いろいろな歌い方をしてみました。
――歌でも猫っぽさを入れたり?
同じ猫でも甘えん坊なとき、ちょっと怒ってる声とか、ディレクターさんと「こういう感じでやってみようか」と話し合いました。あと、アドリブで台詞を入れています。「ニャーン」とか「どこ見てんの?」とか。試しで勝手に入れていったから、使われなければ仕方なかったんですけど、だいたい採用してもらえて。そこはポイントですね。
『海外ではテレビ電話でメンバーの愛をもらって』
――リリースイベントもソロでは気分が違いますか?
毎回お客さんが来てくれるか、ドキドキです。海外のライブで他のアイドルさんと合同の楽屋で、グループさんが合間にごはんを買いに行ったりすると、1人で寂しくなってしまって。私もエラバレシのメンバーとテレビ電話をします。土・日はエラバレシも日本でライブをやっていることが多くて、台湾なら時差も1時間くらいなので。メンバーの愛をもらって乗り越えています。
――1人だと、より目立てて嬉しくもないですか?
それもありますね。エラバレシでは端っこで踊ることが多くて、他のメンバーを見ているお客さんもいますけど、ソロでみんなが私を見て、ピンクのペンライトを振ってくれると、毎回が生誕祭みたいな感じがします。
――海外でも、もえあずさんの知名度は上がっていますか?
ボチボチですね。台湾は昔から日本の大食い番組が流れているみたいで、それで知ってくれた人が多いです。現地の方に「いつも観てるよ」と言われます。
『デートなら浅草で食べ歩きをしたいです』
――カップリングの「ラブコール」は、“まいだーりん”をイメージして歌った感じですか?
だーりんがいて、恋する乙女の気持ちで歌っています。これも甘々な曲で、頭に浮かぶだーりんの顔はボヤッとしてますけど、カッコ良くてやさしい人を想像しました。
――“週末のデートプラン 計画練り練り夢中”とありますが、もえあずさんならどんなデートを計画しますか?
そこはライブやイベントを想像しています。週末のアイドルは100%ライブがあるので。次のライブでどんなことをしようかな、という気持ちです。
――普通のデートなら、どんなプランが理想ですか?
やっぱり、おいしいものを食べ歩きしたいです。
――もえあずさんの大食いにつき合えるくらいでないと、彼氏になれませんか(笑)?
それを言い出すと、日本で数人になってしまうので(笑)。極端な少食でなくて、一緒に食べ歩きをしてくれたら十分です。
――デートで食べたいものもありますか?
浅草での食べ歩きが好きで、毎月、着物で女の子の友だちと行っていて。いつも食べるのはメンチカツとかイチゴの串とか。イチゴは4個、串に付いていて、デートなら半分コにして2個ずつ食べたいなと、妄想しています(笑)。
『プロデュースした日本酒も海外に広めたくて』
――もえあずさんは大食いでありつつ、酒飲みでもあるんですよね?
お酒はほぼ毎日飲んでいます。伯楽星という宮城の日本酒が好きすぎて、4年前からそこの蔵で修業させていただいて、「もえ姫」という純米大吟醸をプロデュースさせてもらっています。
――どんなこだわりを込めたんですか?
ごはんに合うお酒がいいなと。そのまま飲んでもおいしいけど、ごはんが主役として引き立つ日本酒が好きで、普段お酒を飲まない人にも好きになってもらえるようにしました。世界を目指す立場として、日本酒を海外に広めたい気持ちも持っています。
――自分がお酒のあてにしているのは、どんなものですか?
岩下の新生姜が大好きで、必ず日本酒と一緒に食べています。
――お酒に強くもあるんですか?
どうでしょう? 失敗も多々あって、寝ちゃったりもします。1年くらい前に江頭(2:50)さんの「エガちゃんねる」に出させてもらったとき、大食い女子3人が焼肉を食べまくる企画だったのに、私は泥酔して眠くなって、途中から全然食べられなくて。やらかしてしまいました(笑)。
苦しいことも忘れっぽくて楽観的です
――もえあずさんは、アイドルだから当然かもしれませんが、いつもニコニコ明るいですよね。その裏では、人生で苦しいこともあったりするんですか?
あるんやと思いますけど、忘れてしまうんですよね(笑)。良くも悪くも、めっちゃ忘れっぽくて。
――もともとカフェでバイトしながら始まったアイドル人生でしたが、もうやめたいと思ったこともないですか?
ないですね。謎に楽観的で、時代が自分に追い付いてくるかなと考えていました(笑)。変な自信があるんですよね。
――夜中に涙するようなこともなかったと。
大阪から上京して1人暮らしを始めて、家に帰って寂しいなと思うときがあったくらいです。
――あと、もえあずさんは一級小型船舶、茶道、華道、秘書検定など資格も20個以上お持ちですが、アイドルと大食い以外でやりたいこともありますか?
プライベートでソロキャンプをやりたいです。1人で車を運転して行くのはぺーパードライバーだから不安で、本当はみんなで行くほうが好きかもしれません。でも、動画を撮って、「ソロキャンプをしてます」と言いたいんです(笑)。
『クリスマスはケーキ1ホールにチキン1羽分を』
――エラバレシではクリスマスも大みそかもライブに出演しますが、個人的な年末年始の楽しみはありますか?
毎年クリスマスとお正月は、大食い仲間のますぶちさちよちゃんの実家に行きます。ご家族と一緒に乾杯して、クリスマスケーキは1人で1ホール、チキンも1羽分を食べます(笑)。
――小さい頃から、そんなケーキの食べ方をしていたんですか?
丸ごと1個食べていました。考えたら、お正月のお餅もめちゃめちゃ食べていたかもしれません。焼き餅を5個、お雑煮に5個を1食で食べていて、それが普通やと思っていました(笑)。
『私にしかできないことで世界でバズります』
――来年に向けては、グループと個人でどんな展望がありますか?
エラバレシではシングルをまた出したいのと、ライブは毎回チケットがソールドアウトするくらいになりたくて。大きいフェスに結構呼んでいただきますけど、メインステージに立つのも目標です。そのためにも、普段のライブでたくさんお客さんを呼べるように頑張りたいです。
――ソロ活動では?
1人でワンマンライブができるくらい曲が欲しいのと、今年は海外がアジアだけだったので、来年は欧米に進出したいです。フランスとかスペインとか、日本のフェスが結構あるらしいので。そこで私の野望としては、アイドルと大食いの両方で沸かせたいです。
――スペインならパエリアを食べまくったり?
そういうことをいろいろと。いま、私のYouTubeの登録者数が84万人くらいで、コツコツやりながら100万人を目指していて。大食いでも海外でもっと活動して、世界のデカ盛りを食べ尽くしたいです。エンタメ的に食べて、歌って、踊って、私にしかできないことを世界中でやりたいなと思います。
――先ほど「楽観的」という話が出ましたが、そういう未来も、もえあずさんの中では見えていますか?
勝手に想像しています。ニューヨークで「モエアズー!」と呼ばれて、タイムズスクエアの真ん中で100人くらいで「にゃんにゃんにゃん」を踊るTikTokを撮って、世界のもえあずとしてバズっていますね(笑)。
Text
Photo
画像一覧
アーティスト情報
プロフィール
もえのあずき
もえのあずき 2月1日生まれ、大阪府出身。2012年にバクステ外神田一丁目に加入。2016年よりエラバレシで活動中。大食いアイドルとして、2015年に『元祖!大食い王決定戦』で優勝し、5代目爆食女王に。以後、3連覇を達成。一級小型船舶、フードアナリスト、茶道(裏千家)、華道(未生流)奥伝、唎酒師資格など20を超える資格を所持。2020年にシングル「バイバイチョコレイツ」でメジャーソロデビュー。YouTube「もえのあずき」チャンネルが登録者84万人を突破し、随時更新中。
オフィシャルアカウント
CD情報
もえのあずき
「にゃんにゃんにゃん」
12月12日発売
CD+DVD 1500円(税込)
【収録情報】
DVD付盤 FPBD-0847 ¥1,500(税込)
<CD>
1. にゃんにゃんにゃん
2. ラブコール
3. にゃんにゃんにゃん(Off Vocal)
4. ラブコール(Off Vocal)
<DVD>
・にゃんにゃんにゃん Music Clip
・Music Clipオフショット
イベント情報
▼リリースイベント詳細はこちら
https://stand-up-project.jp/moeazu/schedule/
▼最新ライブ情報はこちら
https://standup.zaiko.io/
あなたにおすすめの記事
【SUPER☆GiRLS】夏曲「リボン」がリリース!
2023年07月12日
「私はまだ、夢の途中。」 僕が見たかった青空 〜西森 杏弥編〜
2024年02月21日
【君とセレンディピティ】それぞれ、印象深い「キャラクター枠」があります。
2024年04月25日
「私はまだ、夢の途中。」 僕が見たかった青空 〜塩釜菜那編〜
2024年02月21日
【SKE48】31stシングル「好きになっちゃった」を発売!
2023年07月06日
アイドル活動のときのお弁当は1個で我慢してますけど、たまにスタッフさんが「足りないよね」と2個用意してくれたりします。発注ミスで5個余って「いる?」と言われたときは、全部食べました(笑)。